勉強してみた

研修より効果的?!教員におすすめ書籍5選

研修より効果的?!教員におすすめ書籍5選

「巨人の肩の上」という言葉を知っていますか?昔から先人たちが積み重ねてきた学問の成果や技術などがあってこそ、現在の学問や技術がある、ということのたとえです。悩みのほとんどは先人も同じ悩みを持ち、解決してきたから本を読めば解決策を知ることができると聞いて、とても納得できたことを覚えています。教育ではさまざまな問題があります。それぞれの学校や個人で解決しようと悪戦苦闘していると思いますし、研修でもいろいろな話を聞きます。しかし、本から知識を得ることもとても効果があると私は実感しています。今回は自分が読んで、実践し、効果があった、自分の方針がより決まったと思う本を5冊紹介します。

マインドセット「やればできる!」の研究

学校では「学力調査の点数を上げるために、過去問をやろう」「授業を改善して、生徒が主体的に取り組むものにしよう」などに取り組んでいますよね。皆さんのところはどうですか?私が過去に勤務した学校はそうでしたし、ネットを見てもそういった学校が多いようです。しかし、それよりも前に基盤を整えないといけないのではないでしょうか?これもまた「基礎基本の定着」とよく聞いたことがありますが、そうではありません、マインドセット〜心の持ち方〜です。
「そんなの必要ない」と思います?私は前までそう思っていました。しかし、ここ3年間でメンタルトレーニングを学習し、使う言葉を変え、授業に取り組んできました。残念ながら関わった生徒全員がそうなった訳ではありませんが、「自分は勉強ができないんだ」というマインドセットから「やればできる」に変化し、年度当初には難しいだろうと言われていた志望校に合格した生徒は毎年います。

ポイント①固定マインドセットと成長マインドセット

固定型マインドセット・・・能力は生まれつきで努力によって変えることができないと考える
成長型マインドセット・・・能力は努力によって変えることができると考える

教員の役割は成長型マインドセットになる働きかけをして、成長を促すことですよね。しかし、「あの生徒はできない」「うちの学校には難しい」とついいってしまいがちです。

ポイント②能力ではなく、努力して成し遂げたことを認める

るろうに剣心で相良佐之助が二重の極みを習得したとき、「大した才能だ」と言われるシーンがあります。佐之助は「才能で片付けられたくない」と返します。訂正して「大した男」と言われるのですが、このシーンはなぜか印象的でした。
才能・頭の良さを褒めることは良くないとされています。それはうまくできなかったときにへこたれることや失敗して頭が悪いと思われたくないので挑戦や努力をしなくなることに繋がるようです。それに対して努力して成し遂げると「やればできるようになる」と学び、挑戦と努力をするようになる。

複利で伸びる1つの習慣

「学習習慣」「生活習慣」「読書週間」などなど学校で促されるものは多くあります。個人的には過剰と思えるくらいなのですが。子供に指導するだけでなく、自分の学習習慣や運動習慣などをつけたいと思う場合もこの本は役立ちます。「どうしたら始められるのか」「どうしたら三日坊主にならないのか」といったほとんどの人がぶつかる課題の全ての解決方法が書いてあると言っても過言ではありません。習慣をつけたいと思ったらまずこの本、最近怠けてきたと思ったらこの本、うまくいかない人にアドバイスしたいと思ったらこの本というくらい習慣のことがわかります。

ポイント①最小努力の法則

全く勉強していない人が次のテストでいい点を取ろうと決意したらどうするか。よく聞くのは「今日から家庭学習を3時間する」しかし、3日続いた人はほとんど見たことなし。そんな嫌なことを今までやったことがない時間続けられない。それより現実的なのは毎日必ず「これならできる」ということをすること。3時間は無理でも1問は問題を解くとか、筋トレも腕立て1回はするとか「これくらいなら毎日できる」を毎日することから始める必要がある。良い習慣をつけるためには、抵抗を減らし取り組みやすくする。勉強机には問題集を開いておいておく。運動をしたいなら出かけるための準備を最小にする。逆に減らしたい習慣は、抵抗を増やし取り組みにくくする。スマホの見過ぎなら制限時間をかける、ダイエットしたいならお菓子などはすぐ出せるところにおかない。

ポイント②ルーティンを作る

私が本書でとても納得がいく部分がある。ルーティンだらけになると自由が無くなり、窮屈な生活になるのではないか。決められた行動でロボットみたい。

習慣は自由を制限しない。自由を作り出している。それどころか、習慣をうまくいかせない人の多くは、自由がほとんどない。良い金銭習慣がなければ、いつもお金に困っているだろう。良い健康習慣がなければ、いつも元気がなさそうに見えるだろう。良い学習習慣がなければ、いつも遅れをとっている様に感じるだろう。また、いつ運動したらいいか、どこへ書きに行けばいいか、いつ支払いをすればいいかなど、些細なことでいつも決断を迫られていれば、自由のための時間が少なくなってしまう。基本的な生活を簡単にすることでのみ、自由な思考や創造性に必要な心の余裕を持つことができる。

ジェームズ・クリア式 複利で伸びる1つの習慣

Think CIVIRITY

学校ではあいさつを必ず指導しますよね。でも心では「あいさつ」なんてやっても変わらないと思っている人もいるのではないでしょうか。あいさつにうるさい教員があいさつしないってこともあるように思います。言葉遣いも指導しますが、本当に必要なのでしょうか?
答えは「イエス」です。でもなんでと言われたら「人間関係をよくする」「みんな気持ちよく過ごせる」といったマインド的な答えになりますよね。しかし、礼儀正しくなければ金銭的にも損をすると聞くと意外ではありませんか?アメリカの調査では「無礼な態度を取ることによって年間5000億ドルの損失が生じる」とされています。また、無礼は伝染し、周りの手は止まり、意図的に手を抜く人も出てくるといったマイナスづくし。私はこの本を読んでいると思い当たる節がありすぎてちょっと苦しくなるくらいですが、悩みの解決の方針を示してくれる本なので一度読んでみてはいかがでしょう。

ポイント①10/5ウェイからやってみる(コストはゼロ、勇気が必要)

「10/5ウェイ」とは「誰かと3m以内に近づいたら目を合わせ、微笑みかけること。1.5m以内に近づいたらこんにちはと声をかけること」というルールです。アメリカで作られたガイドラインのため10フィートや5フィートという単位なので10/5という名称なのですね。こんなの無理と思いません?私も微笑みかけるとかできないと思いました。でも思い返してみるとあいさつが素晴らしい人はやっているんですよね。まずは1日の朝の目標にしてみるといいでしょう。

ポイント②今の時代必要なのは聞く力

教員になったら人前で話す力を鍛えないとと思っていましたが、近年は聞く力が注目されています。特に先生は話すのが仕事だと思っていますから、よく話す。結構無理なフリをしても話せる教員はすごいなと思うこともありますが、その反面聞くのはそんなにうまくないように思います。生徒や同僚の話を聞くと解決しなくてはと思うからか聞いた量より多く話してしまうということもあります。しかし、それでは相手は満足しません。一対一で話すときは、聞き上手になる必要があります。
そこで必要なポイントは「RASA」です。Receive(受け止める)、Appreciate(尊重する)、Summarize(要約する)、Ask question(質問する)ことです。アドバイスを求めていることもありますが、聞き、質問して促すと行動する力が段違いです。面談のときは意識してみてはどうでしょうか。

エッセンシャル思考

まず漫画版を読むことをおすすめします。漫画版は学校の先生が主人公なのでとても共感できます。次々と使いされる業務、一体何のために頑張っているんだっけと分からなくなる。この本の「99%の無駄を捨て1%に集中する」は考えさせられます。生徒にも「何事にも全力で取り組むんだ」と言っていませんか?そんなの無理だとなんとなく大人も子供もわかっています。「これって意味あるの?」って仕事も多くあります。では、何に取り組み、何をすればいいのかの方針を教えてくれるのがこの本です。私は、この本を読んで業務が見違えるほど早くなりました。ある意味、手抜きは増えましたが本気で取り組むことや楽しんで取り組める業務も増えました。

ポイント①3つの思い込みを捨て、3つの真実に置き換える

・「やらなくては」
・「どれも大事」
・「全部できる」

「やらなくては」ではなく、「やると決める」
「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」
「全部できる」ではなく、「なんでもできるが全部はやらない」

ポイント②優秀な人ほど失敗する可能性が高い〜成功のパラドックス〜

第一段階 目標をしっかり見極め、成功へと一直線に進んでいく
第二段階 成功した結果、できる人と思われて「あの人に任せておけば大丈夫」と言われ、仕事が増える
第三段階 やることが増えて、時間とエネルギーが裂かれて疲れ、中途半端になる
第四段階 本当にやるべきことができなくなる、方向性に迷う

ポイント③大事なことを見極め、それ以外は断る

自分が90点でやりたいと思えることに取り組む。やりたくないことは試しにやめてみる。ちなみに私は昨年度毎年やっていることを試しにやめて、今年度から学校全体でなくしました。やめても問題ないことでした。そう言っても報告書などやめられないものはあります。それは最低限できるように仕組みにしました。

人生を変えるモーニングメゾッド

子供ができたことで21時に就寝するようになった。起床は5時になった。この時間を何かうまく使えないものかと試行錯誤していたときにであったのが、この「モーニングメゾッド」だった。理論と具体的実践方法、そして1時間もとれないという人のための6分短縮バージョンまで提案してくれ、取り組むことにもハードルは低めである。ちなみに同僚にこの本を勧めたところ、モーニングメゾッドはまりをしたようである。朝活仲間が間接的に増えてうれしい。

ポイント①6つに取り組んだ感想

サイレンス(瞑想)
瞑想はこのモーニングメゾッド以前から行ってきた。集中力が高くなったと思うし、自分が集中できていないときも気づけるようになった。私は瞑想アプリを利用して毎日5~10分ほどのセクションをしている。

アファメーション
このアファメーションがなにかいまいちわからず、なんとなーくやっていた。最近読んだ「神メンタル(星渉著)」に詳しく書いてあったので最近はこっちのやりかたにシフトしている。

イメージング
これもアファメーションと同じ。あれ、この本おススメっていっているのに。これも「神メンタル」でやっているアファーメーションと同じようなことをいっているのでそっちで補っている。

エクササイズ
朝に運動習慣をつけるのはとてもいい。仕事にすっきり参加できるし、夜に運動しようと思ってもなかなかできないから朝にいれてしまう。時間があまりとれない日は3分だけHIITするとか10分だけ散歩してくるとかにして簡単な代案で対応している。

リーディング
朝に本を読むと「今日はこれをやってみよう」と1日のうちに試せるからいい。本は読むだけでは変化はないので読んで実行が速くできる朝に読むといいですね。夜に読んでも次の日には忘れてしまうこともあるし。私はジムのウォーキングマシンで読む、通勤の車で音声で聞くという方法でやっています。

ポイント②そもそも起きれない

19時台にお風呂に入り、20時からはスマホをやめ、21時には寝る。これで起きれます。夜のテレビは見ません。生徒には「塾が22時まであるんです」と言われましたが、21時から勉強しても酔っ払いが勉強しているのと同じ、効率悪し、寝るべし。他の活動も同じ。娯楽以外は効率が悪いのでやめた方がいい、娯楽は自分を変えたいなら我慢して減らすべし?

まとめ

本を読んで、自分の実践や職場の状況を見ると「今まで意味ないと思っていたことの効果に気づいた」「今まで頑張ってやってきたが、効果を上げにくい方法だった」とよくも悪くも気づきがでてきます。それを改善すると変化が起こるのでとても面白いですよ。「どうしたらいいか迷っている」「ある程度慣れたし、面白みがない」など本を読むことで新しい考えや発見ができ、挑戦ある毎日になるといいですね。

ABOUT ME
まえちゃん
アラフォー男性教員 地元の学校に通い、地元の大学に行き、地元の教員に 「数学が好きな子を増やしたい」と思い、教員になる。しかし、いつの間にか部活動と学校行事がメインの役割になり、22時に退勤することが常習化する。帰って24時に寝るという生活を送る。 3年前に土日をほぼつぶして取り組んだ部活で成果が出ず、「これではいけない」と思い、コーチングを勉強し始め、自分もコーチングを受ける。コーチングを受ける中で「自分はどんな生き方をしたいのか」「自分の強みは何なのか」「何がしたいのか」を考え、行動するようになる。