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生徒にコーチング的な面談をしたら
以前までの面談では
・あまり会話が続かない
・生徒は聞かれたことに端的に答える
・緊張した感じ
コーチングを学んでから
・「あまり話すことがない」からスタートしても会話が続く
・生徒は考えや思いを話してくれる
・どの生徒からも笑顔が見られた
面談の雰囲気がとてもよくなりました。とりあえず全員と話をするという漠然とした面談から意義があるものに変化しました。
先生側のメリット
・生徒と普段はなかなか話せないことが話せる
・生徒の思考や興味があるものを知ることができる
生徒側のメリット
・面談でアクションが決まった場合は行動することができている
・イやなことを問い詰められる場ではない
・話したいことを話せる
同僚(若手)との面談
「また、ぜひ面談してください」
私の勤める自治体には先輩教員が後輩教員の悩みや相談を受ける制度(メンター制度)があり、年間3回ほど面談をします。初めてメンター(悩みや相談を受ける側)として面談をしてほしいといわれた3年前、「これってどんな感じでやっているの?」と当時のメンティ(悩みや相談をする側)に聞いたところ、「昨年はメンターの先生が私の質問に対して、ご自身の経験を語ってくれました」という返答。
「あれ?これって先輩が気持ちよく話して学びなしってパターンでは?」と私は不安になりました。結局1年目の方とは、自分が当時受けていたコーチングのような感じで面談。
2年目の方とは、これまた自己流で学んだコーチングらしき感じで面談。2年間やってみて、自分の手ごたえはほとんどありませんでした。それは「どうなればよいのか」がはっきりしておらず、「これでいいのかわからない」という悩みを抱えていたためだと思います。
しかし、3年目でコーチングを学び始めた今年度は1回目のセッション(面談)から方針がわかるためか手ごたえがあり、冒頭のセリフをいただきました。
今年度の方には悪いですが、まえちゃんのコーチングの学習を活かすための練習に付き合ってもらいます(なお、本人の了承は得ています)
コーチングを面談に生かすためにしたこと
①面談の設定
事前に行う時間・場所を確認しました。先生側の都合だけで設定するのではなく、生徒にも「この日のこの時間に10分やりたいけどいい?」と確認しました。ついこちらの都合で設定してしまいがちですが、相手を尊重することが大事です。
場所も他の人が気になって話せないという場所をさけ、話しやすい場所を設定しました。他の人が通ったり、他のことに気がとられる場所だと思っていることをためらうハードルが上がります。場所の設定はとても重要です。
②話の主導権を生徒に
面談というと先生が質問して、生徒が答え、先生がアドバイスを送って終わりという流れが多いと思います。私は過去10年ほどそんな面談をしてきました。しかし、その面談で本当にいいのだろうか?とここ5年ほど思っていました。ほとんどが面談が終わっても変化・行動がないな~と感じました。
自分で決定し、行動するという力不足なのではないかと。コーチングは「相手に気持ちよく話してもらい、気づき、行動を促す」ことを方針にしています。その考え方を生かし、先生が話す面談から生徒が話す面談に変えてみました。
「認める」だけでも全然違う結果に
コーチングは「認める」「聴く」「質問する」「フィードバックする」の4つのスキルを使います。この「認める」スキルだけでも面談の結果は大きく違います。
でも「認める」ってなに?
「認める」とは存在と考えを受け入れるということです
認めるは「存在承認」と「意識承認」
存在承認 | あいさつ・相手の方を見て話す、聞く |
意識承認 | やろうとしていることや考えを読み取って認める |
学校でよくいいますよね。「あいさつしよう」「相手のほうを見て話そう、話を聞こう」
これは存在承認だったんですね。礼儀だと教えられてきて、教えてきましたが相手に安心して話してもらうには必要なことだったんですね。
意識承認は相手の考えに良し悪しや比較をせずに、認めることです。先生としては難しいですよね。話を聞いたら「こうしたらよい」「それはいけないことだ」といってしまいそうですね。
認めるスキル実践編
・適度にあいづちをうつ
・同じ言葉を繰り返す
・相手の言葉をそのまま受け止める
やってみよう「あいづち」
認めるの反対語は「無視」です。誰にとっても話をしているのに聞いてもらえないのはつらいですし、とても安心して話そうと思えません。適度に「うんうん」「へ~」などのあいづちをうちましょう。そのくらいできると思ったあなた、「話聞いてる?」と最近言われたならできていない可能性がありますよ。
*今日話したときに、あいづちをしたか思い返してみよう
やってみよう「同じ言葉を繰り返す」
同じ言葉を繰り返すと、ちゃんと聞いてくれているんだなと思うと同時に考えていることを再認識できます。意外とこれだけであらたな気づきもあるものです。しかし、そのまま繰り返してはちょっと嫌な感じになってしまうので次のポイントに注意しましょう。
・そのまま繰り返すとキーワードのみを繰り返すを使い分ける
・感情の言葉は逃さず、繰り返す(うれしい、かなしい、楽しい など)
*話をするときに、適度に同じ言葉を繰り返そう。感情の言葉は逃さず!
適度にあいづちをうつ・・・おおむねできる。しかし、相手を見てやることが大事!
同じ言葉を繰り返す・・・相手に認められていると感じさせる。自分の考えを再認識させる。感情の言葉を繰り返すことは関係づくりにおいて大切。
相手の言葉をそのまま受け止める・・・話を聞いていると「それはこうしたらいい」「それは違う」と思うこともあるでしょうが、相手の言葉をそのまま受け入れましょう。ここが一番難しいところですが、これをするとよく話してくれるようになります。
やってみよう「中立(ニュートラル)に聞く」
中立(ニュートラル)を守るだけで話してくれる量と内容が全く違う
認めるの目標は相手に安心して話してもらうことです。「これいったら怒られるかな」「注意されるかな」と思ったら言葉を選ぶし、思考が狭まりますね。気づけていない理由や固執した考えを発見できなくなります。
すぐいいと思う方法をいってしまう、話に割り込んでしまうという人は言葉を飲み込んで我慢です。
*「こうすればいい」「それは違う」と思っても「そう考えているんだ」と受け入れましょう。「どう思う?」と意見を求められたら答えましょう。
おすすめ書籍
シーン別に使える!マンガでわかるコーチングルール
「聴くスキルを高めよう」「相手の話を信じて聴くことが大切」の話を実体験や詳しくしたものが今回のブログの内容です。もっと全体を知りたい、シーンのイメージをもっと明確にしたいと思う方におすすめです。社会人の上司向けですが、学校でも置き換えて考えられる内容です。
シリコンバレー式 最強の育て方 1on1ミーティング
「面談・ミーティングなんて面倒くさいよ、対して効果もないし」と思っている方におすすめ。最近は学校でも企業でも1on1ミーティングを行っていることが普通になってきています。その意義を理解して行動できると時間を有意義に使えますよ。
まとめ
相手に安心して話してもらえるように「面談の設定」「認めるスキル」を使えば面談の時間は面談を行う側にも受ける側にも有意義な時間になります。学校では年度末に向けて面談することも増えるのではないでしょうか?この記事を読んで、10分後にやってみようは難しいです。私はコーチングの練習で「同じ言葉を繰り返す」「中立に聞く」は課題として練習しました。「できるようになるのか」と勉強したときは思いましたが、意識して練習、フィードバックをもらうと2週間ほどで自然にできるようになりました。特別になにか買ったり用意したりする必要もないので「認める」スキル、練習してみてはどうでしょうか?