コーチング

【教員コーチが考える】学校で生かせるコーチング

個別最適化の学びと言われている近年。価値観や考え方も多様化する中、学校で成長するにはティーチングだけでは難しくなったと感じます。コーチング資格を取ったまえちゃんが学校でコーチングスキルを使って良かった、役立っているということを記事にしました。

学校で多い取り組み方

集団へ伝え、それについて支援することが多いのが学校です。一斉授業も概ねこの形ではないでしょうが。先生が始めに説明して問題を解くといった感じですね。他には伝達事項であったり、取り組み方のことであったりします。
この指導方法が適しているのは「短期的なもの」「簡単なもの」です。短期で終わる、短期でできるものであれば必要な情報を一度に盛り込めますし、途中で変更なども少ないので一回もしくは数回の伝達で済むでしょう。また1度である程度できる簡単なものもこれによって伝達できます。
ティーチングとして多い形式ではないでしょうか。

個人の力を伸ばすには

個人の力を伸ばすには集団での経験はとても有効です。自分はできなくても周りが出来るのでそれを見習ったり、自分のできることを相手に教えたりすることで力を伸ばすことができます。また、自分にはない考えを他から取り入れたり、見習いたいと思う人の存在が自分のモチベーションになったりと集団での学びはとても大きいでしょう。

ティーチングで個人の力を伸ばすことは難しい。長期的に取り組まないと結果がでなかったり、なかなか行動に移すことが出来なかったりと継続が難しいということが原因です。授業ではやったけど自分ではできない、こうした方がいいとわかったけどできないというのはこういう理由です。そこでコーチングを考えてみてはどうでしょうか。

コーチングとは

コーチングとは相手(クライアント)が話すことによって自己理解を深め、目標に向かって行動することを促すスキルです。ティーチングと違う点は知識を与えて行動を促すことでなく、クライアントが自分で話すことで行動を促す点です。コーチングは「クライアントが答えを持っている」という考えで行います。知識不足のときも確かにありますが、その場合は時間をあけてクライアントが答えを探すことを促します。

自分で決めると実行するようになる

自分で決めると実行し、続けられるようになります。私はクライアントとしてコーチングを1年受けていました。今までダイエットしようと思っても全く続かず、成果もでなかったダイエットが1年で10㎏減量しました。同じことでも「痩せたら?」って言われてダイエットするのと「こうなりたいと自分が望んでいる」とわかってダイエットするのでは全然違うんだなと感じました。
私がコーチを行ったクライアントの方も「筋トレをする」と決め、今では半年続いているようです。今まで面談でお話してトレーニングを提案したことはあります。次の日に「昨日はトレーニングした?」と聞いたらほぼしていないと回答されていましたがコーチングをしてからは「していない」と答える方はいないので、自分で決めることの重要性を感じています。

コーチングを学べばWIN-WINの面談になる

教員という職業では「生徒と面談する」「保護者と面談する」場面は1年間で結構ありますよね。私はコーチングを学ぶまでこの面談時間が苦痛でした。

「そんなに話すことないよね?」
「現状報告と方針の確認でいいよね」
「一人3分ほどで終わるよね?」
「でもこれをやっている価値は何なのだろう?」

というお互いに何話していいかわからない、ちょっと重い空気。
生徒によっては「何を説教されるのか」と身構えてくる生徒もいました。

しかしコーチングを学んでからはテーマフリーから10分以上話せるようになったし、テーマがしっかりある生徒とはそのテーマで気づきを得られるように話せるようになりました。表情が明るくなったり、面談で話したことを普段の雑談で話したり、とても生徒と私にとってWINーWINな面談になってきました。

まずは認めることから

実はコーチングを受けて「自分も真似してコーチをやってみよう」と思った時期があります。そのときはコーチングを学ばずに見様見真似でやっていたのですが散々でした。「質問攻めにされてなんだかよくわからなかった」「答えるのが大変だった」と。今思えばちゃんと勉強したかどうかって大切なんだなと痛感しました。

コーチングとは相手に話してもらって、決めた行動を促すことなので相手に話してもらえるような環境や関係が大事です。
そのためにまずは「認める」ことから始めましょう。認めることの目的は「相手に安心して話してもらうこと」です。今思えば昔の面談は「何をいえばいいのか」と安心のかけらもない場だったと思います。

安心して話してもらうために

①言葉はそのまま受け止める

相手の話していることが正しい正しくない、こうするべきだを判定せずにそのまま受け止めましょう。ニュートラル(中立)な心で受け止めるということです。
これがとても難しい。特に先生は「よい」「わるい」をつけたがるし、「こうしたらいい」といってしまいがち。
でもこれができると相手が話す内容や量が段違いに増えます。「話していいんだ」「考え聞いてくれるんだ」と思うんでしょう。

②言葉に反応する

話をしているときに「うんうん」「なるほど」「そうなん」とかうなずいて聞いてくれる人がいるととても話しやすいですよね。しつこいと不快に感じることもあるかもしれませんが適度にあいづちをうつとよく話してくれるようになります。

③同じ言葉を繰り返す

全部はいけないんですけどポイントで同じ言葉を繰り返すことは安心して話してもらう上で役立ちます。特に「うれしい」「悲しい」など感情がのった言葉は繰り返すことで相手の気づきになることもあるので「これは感情だ」と思ったら「うれしかったんだね」と繰り返すようにしています。そしたら「そうなんですよ、○○がなんとかでうれしくって・・・」と広がることも多いですね。

実践してみよう

1日に一回相手の話を中立(ニュートラル)に聞いてうなづき、あいづちを入れてみよう。
感情をともなった「嬉しい」「悲しい」は繰り返してみよう。

まとめ

普段から認めるスキルは発揮できる

ティーチング+コーチング的な関わりをしてみてはどうでしょうか

ABOUT ME
まえちゃん
アラフォー男性教員 地元の学校に通い、地元の大学に行き、地元の教員に 「数学が好きな子を増やしたい」と思い、教員になる。しかし、いつの間にか部活動と学校行事がメインの役割になり、22時に退勤することが常習化する。帰って24時に寝るという生活を送る。 3年前に土日をほぼつぶして取り組んだ部活で成果が出ず、「これではいけない」と思い、コーチングを勉強し始め、自分もコーチングを受ける。コーチングを受ける中で「自分はどんな生き方をしたいのか」「自分の強みは何なのか」「何がしたいのか」を考え、行動するようになる。