コーチング

【教員コーチ】コーチング的な話の聴き方

生徒と面談してもあまり話を広げられないんだよね。なにを話したらいいかよくわからない

まえちゃん

話すことの前に聴くことはできていますか?

聴くこと?ちゃんと相手の目を見てうなずいて聴いているよ

まえちゃん

それは姿勢としてはいいですが、相手によく話してもらうコツがありますよ

聴くスキルの重要性

「なかなか会話が続かない」「面談で会話がない時間が多い」「家族との会話が減ってきた」という悩みはありませんか?私は内向的な性格だったのであまり人と話すことが得意ではありませんでした。妻にも「まず結論から言ってほしい」と言ってあきれられたほどです。ビジネスでもプライベートでも人とうまくコミュニケーションをとることは重要です。

個別最適化学習という言葉が近年話題となっています。個人のレベルに合わせた学習を行い、効率よく学ぶことが目標です。また、考え方や価値観の多様化を感じる時代になりました。今まで一斉に同じことをやっていたことに「なんでそんなことをしなくてはいけないのか」「本当にする価値があるのか」と考えるようになってきました。

一人一人と話す機会も増えました。学校で一人一人と話すと言ったら何か悪いことをしたのかというイメージがあるようです。私はコーチングを学んでから個人と話す時間を大事にしてきました。始めは「何かお説教されるのではないか」と後ろ向きな生徒が多かったですが今では進んで面談をしたいという生徒もいます。

「ちょっと面談イヤだな」と思われる人から「話したい」と思われる人になることができました。これは明らかに才能ではなく、スキルです。このスキルを身に着けてから初対面の方でも家族でも会話をすることが増えました。
そのスキルとは「聴く」スキルです。会話はうまく話さなければと思いがちですが聴くことの方が1対1の会話では重要です。「いやいや、ちゃんと聴いてますよ」という方もいるでしょうがこれからのポイントを自分にあてはめて考えてみてください。

話を聴いてもらえるのはご褒美

2012年にハーバード大学が行った実験で、自分のことを話しているときに人間の脳がどのような状態にあるかを調べてものがあります。

その結果、自分のことを話しているときはおいしいご飯を食べているときや現金をもらったときと同じくらいに興奮しているということがわかりました。

このことを知っているとちゃんと話を聴くと相手にそれだけのギブができると感じました。それだけ話すことは自分にとってうれしいことなのになぜ話をする場が嫌なのか。それは話を聴く側がちゃんとしたスキルを持っていないと「自分の話」をすることができないからです。

聴くスキル

①目的は相手に気持ちよく話してもらうこと

この目的を第一に考えましょう。話を聴かずに、自分の話をいつ入れようかうかがっていては聴くことにはなりません。相手の言っていることに耳を傾け、中立に聴くことが重要です。自分と相手の価値観が違うということもあります、自分が「それは変ではないか」と思っても「この人はそう思っているんだ、どうしてかな」くらいに思っておくといいでしょう。

この目的にマインドチェンジしてからは情報収集のための聴くが改善できました。情報収集のための聴くはもはや取り調べと同じ。取り調べが好きな人なんていませんよね。ぜひ、中立に聴いて相手に気持ちよく話してもらってください。

②接続詞を使う

「それで?」「それから?」「具体的には?」は会話がつながりますね。聴くためには接続詞だけでもいいのではないかと思うくらいです。しかし、使用を避けた方がいい接続詞もあります。それは「しかし」「でも」など否定する接続詞です。相手が話している内容を否定したり、反論したりするととても気持ちよく話せませんよね。この接続詞を使わずに会話、面談していますが、困ったことはありません。使わずに話すと会話がよく続きますし、もし考え直してほしいものがどうしてもあればこちらから提案するようにしています。

③沈黙する

昔は沈黙が怖かったですが今はそんなことありません。沈黙には2種類あって「何か考えている」「考えていない」です。何か考えているときは待ちます。これは考えてないな、待ってもまとまらないなと思ったときは違う声掛けをします。

④ペーシング

相手に気持ちよく話してもらうには接続詞、沈黙のスキルを使うといいのですがその基盤はペーシングです。想像してみてください。話に興味を持って「それで?」と聴いてくれるのと、興味なさそうに「それで?」と言い放たれるのではどちらの方が気持ちよく話せますか?圧倒的に前者ですよね。相手の表情や声のトーンに合わせて話すことは大事です。

私はコーチング練習の時に接続詞を聴くときが冷たいと指摘されたことが何度かあります。ペーシングを改善したところ、相手に気持ちよく話してもらえることが増えました。素直なフィードバックをくれる人がいると自分の傾向がわかっていいですね。

やってみよう

①相手の話に良し悪しをつけず、相手に気持ちよく話してもらうことを目的に話をしてもらいましょう。

②「それで?」「具体的には?」「他には?」などの話を深める、広げることを意識して接続詞を使いましょう。「でも」「しかし」は避けましょう。

③相手が考えている沈黙なら待ちましょう

④相手が気持ちよく話せるように相手の感情やトーンに合わせて話を聴きましょう。

私が「聴くスキル」を練習していて思ったこと

コーチングを学ぶ際に「聴くスキル」の練習を講座以外でもしました。自分の傾向としては「中立に聴けない」ということが大きかったです。なので、「しかし」「でも」といいがちでしたね。それは聴く目的が相手を自分の考え方に寄せることだったからだと思います。相手に気持ちよく話してもらうという目的を思い出しながら練習すると中立で聴けないということは減っていきました。今では「そっか、そう思っているのか」くらいですね。「しかし」「でも」を避けると相手は「自分の考えや思いを話していいんだ」と感じていると思います。
今までの面談なら言葉を選んでいるという感じを受けましたが、今では感じません。ちょっとしたことですが、相手に話してもらうには話してもらう関係も必要ですが聴くスキルも必要なんですね。

ABOUT ME
まえちゃん
アラフォー男性教員 地元の学校に通い、地元の大学に行き、地元の教員に 「数学が好きな子を増やしたい」と思い、教員になる。しかし、いつの間にか部活動と学校行事がメインの役割になり、22時に退勤することが常習化する。帰って24時に寝るという生活を送る。 3年前に土日をほぼつぶして取り組んだ部活で成果が出ず、「これではいけない」と思い、コーチングを勉強し始め、自分もコーチングを受ける。コーチングを受ける中で「自分はどんな生き方をしたいのか」「自分の強みは何なのか」「何がしたいのか」を考え、行動するようになる。