コーチング

【ただ褒めてもダメです】コレが自然にできる人はリーダーの天才

先生

良いところをほめましょう

と学校では先生、生徒、保護者のどこでも聞いたことがあるし、言われます。実際にほめましたか?ほめてどうでしたか?また、ほめられてどうでしたか?

子ども

どうも嘘くさい

先生

変化があるように思えない

それは「ほめればいい」という理解だけではうまくいかないということです。

自分がかけてもらった言葉で「やる気が出た」「自信が出た」というものはありますか?それはどんな言葉でしたか。ダイエットができて「痩せたよね」と言われたり、自分の担当したプロジェクトが成功して「よく考えて頑張っていたし、目標も達成できておめでとう」といってもらえたりが私は思い浮かびます。その結果、「もっとダイエット頑張ろう」「次のプロジェクトはこうしたい」とやる気や自信につながりました。うまくいった時だけでなく、仕事でうまくいかずに悩んでいるときに上司(教頭)が話を聞いてくれて、現状を自分で把握でき、改善点の解決を一緒に考えてくれたことがあります。

必要なときに相手を思って肯定的な声かけができることがリーダーの天才です。Appleのスティーブ・ジョブズ、「1兆ドルコーチ」の著者ビル・キャンベルは部下への声かけが素晴らしかったことで有名です。そんな肯定的な声かけ、ポジティブフィードバックについて、そもそもポジティブフィードバックとは何か?効果は?方法は?を紹介しましょう。

ポジティブフィードバックとは何か?

ポジティブフィードバックとは相手の成長のために、相手への良質なコミュニケーション(ヴィランティ牧野祝子著 POSITIVE FEEDBACKより)と言われています。フィードバックは一般的に改善点を伝えたり、思ったことを伝えたりというものです。ポジティブフィードバックは相手の成長を目的に「肯定的に」「思いやりを持って」フィードバックします。

よい例 テストの点が98点だったら

「98点で頑張ったね。計算を間違えないように確かめしていたし、応用問題も教科書に出てこなかった問題だけどよく考えて正解できたね。次のテストに向けてはどんなことをしようか?」

悪い例 テストの点が98点だったら

「こんな簡単なテストで100点取れないの?しかも簡単な問題でミスして2点落としているじゃないか。日頃から理解するまでやっていないのではないか?次のテストで100点とるために今から予習をしなさい」

どちらの方が聞いたこと、言ったことがありますか?悪い例が多いのではないでしょうか。よい例の方は「肯定的に」「思いやりを持って」フィードバックしています。悪い例は「否定的に」「相手を傷つけて」いそうですね。調子にのるなと思って言いがちですがやる気も自信も次への改善点もいい方向へ向かいません。

ネガティブフィードバックの方がいいという人もいます。私もそのタイプの人でした。「改善策や問題点を教えてほしい」というものです。ポジティブフィードバックは何か信用できないと感じていました。それはポジティブフィードバックに慣れていないだけで、繰り返しされると受け入れられるようになりました。ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックをセットでしてもらうことが結局は一番いいのです。そのネガティブな「改善点」や「問題点」も相手のためを思って肯定的に伝えることでポジティブにすることもできます。

ポジティブフィードバックの効果

ポジティブフィードバックの効果
ポジティブフィードバックの効果

やる気がアップする

自信がアップする

人間関係がアップする

仕事・学習への理解度がアップする

主体性がアップする

どれも学校には嬉しい効果ですね。いやいや、そんなにうまくいかないだろうと思うでしょうが、逆にネガティブフィードバックで上にあげたメリットが得られることがありますか?叱られてやる気がアップする、自信がアップするなどなどはなさそうですよね。自分の育った環境が生徒にとってもいい環境とは限らないということを知っておきましょう。今の世代は頻度が高いフィードバックを求めています。それはネットが発達し、いつでもどこでも「いいね」を押せる時代になったからです。なんでもスピードアップしていきますが、学校はミレニアム世代から見ると遅いようです。テストの丸つけや結果が来るのが遅いと言われますよ(手作業だから1時間では終わらないですよ、デジタルにしてください)

これらの効果があったなと思うフィードバックを思い出せますか?私は全校生徒向けのプレゼンがとても良かったと生徒からも管理職からもポジティブフィードバックを受けたことがあります。それまではあまり人前で話すことに自信はなかったのですが、そのことが自信やその後の意欲につながった経験があります。誰でも思い出せば1つくらいはそういうことがあるのではないでしょうか。そういうフィードバックを意図的に多く与えることができるようになれば相手にとってもプラスですし、自分にとってもプラスになります。ハーバード大学のポジティブ心理学者ショーン・エイカーによると「意識して人に親切にすると幸福度が高まる」ということがわかっているようです。自分にも相手にもプラスになるポジティブフィードバックをしていきましょう。

ポジティブフィードバックをどうやってすればいいか?

どうすればいいのか
基軸となる4つの「承認」

できたことを認める「結果承認」

まだできていなくてもプロセスを認める「行動承認」

できていることがなくても認める「存在承認」

ネガティブをポジティブにする「可能性承認」

できたことを認める「結果承認」

できていることを認めるということが一番簡単だと思いますが、「当たり前」の結果でも声をかけることがポイントです。係だからやって当然、あの子はよくできるから当たり前という感じで問題にならないところに関して声をかけない傾向がありませんか?当たり前でも続けることが難しいことはよく知っていますよね。結果が認められることで見られていることがわかりますし、成功体験となります。当たり前のことでもフィードバックすることで得られることがあるのですね。成功体験は子供へのギフトです、どんどんギブしましょう。

相手に与える(ギブ)する人は成功するということがわかっています。アダムグラント「GIVE&TAKE」を読むととてもそのことがわかります。よりポジティブフィードバックをしようと思えるようになるので興味があれば読んでみてください。

まだできていなくてもプロセスを認める「行動承認」

結果が出てなくても行動を認めましょう。勉強しているけど点数がイマイチという子どもの悩みがあります。よく勉強の仕方がわからないという子どもがこのタイプです。「このままやってもいいのか」「変なことしているのではないか」と不安ですよね。フィードバックを受けることによって「やっていることはこれでいいのだな」と確認でき、自信を持って続けることができます。

できていることがなくても認める「存在承認」

意外とできていないけど大事なのが存在承認。話を聞くとき、子どもの方を見てますか、最後まで話を聞いていますか、笑顔で挨拶していますか。学校でよく言うことが存在承認になります。子ども、大人に限らずこれがちゃんとできるだけでその人は素晴らしいですね。私の生徒でこれが素晴らしい生徒がいました。みなさんもそんな人いませんか。存在承認は信頼関係を築く上でとても重要です。ポイントは特定の誰かでなく「平等」に扱いましょう。

この存在承認は「礼儀」といってもいいでしょう。礼儀が大事な理由がわかる「ThinkCIVIRITY」はおすすめです。礼儀の及ぼす影響の大きさに驚くと思いますよ。

ネガティブをポジティブにする「可能性承認」

子供にいつも改善点や注意ばかりしてしまうことありませんか?私はとても多い先生でした。「なんであそこまで口うるさいのか」と言われたことさえあります。ひたすら改善を願ってネガティブフィードバックをしていました。よくなることはなく、ごまかすか適当にやってすますかが多かったですね。それはこなすことが目的になって相手の可能性や成長を考えていませんでした。といっても改善点を伝えたり、苦手を克服したりするために伝えることは必要です。何がいけなかったのか、相手のことを聞かずに改善策を押し付け、こちらに従うことを求めたことがよくありませんでした。

以前一緒に仕事をさせていただいた尊敬する教頭の話です。部活がうまくいかず、保護者と意見が食い違うことがありました。教頭に呼ばれ、イヤな話をされるかと思いましたがよく話を聞いてくれ、自分の考えも伝えることができました。そのうえで改善策を一緒に考え、今後の方針も立てることができました。内容としてはネガティブだったでしょうが話し終わった後はポジティブな気持ちで進めることができました。大事なことは一方的に改善策を提示するのではなく、一緒にどうしたらよいかを考えることでポジティブに取り組むことができることなのです。

「相手の良いところが見つからない」でも大丈夫

ポジティブフィードバックしようにも相手の良いところが見つからないからどうしていいかわからないということはあるでしょう。私も前までは「Aくんのいいところ・・・あるかな」というタイプでした。こういった悩みを持つ方は自分に厳しい方です。自分のできていないところではなく、自分のできているところに目を向けましょう。コーチングで「目標が達成できた状態を100だとすると今は?」と聞くと「ゼロ」と答える人はいません(私はあったことがないです)ちょっとでもできていることはみんなあるのでそれを自分で認めましょう。また他人と比べると「あの人は私に比べて○○できている」となってしまいます。過去の自分と比べてどのくらいできるようになったのかを考えるとよくなっているところが見つけやすいでしょう。

まとめ

まとめ

ポジティブフィードバックとは手の成長のために、相手への良質なコミュニケーション

ポジティブフィードバックの基軸は4つの承認「結果承認」「行動承認」「存在承認」「可能性承認」

自分のよいところから探すと相手の良いところも見つかる

ABOUT ME
まえちゃん
アラフォー男性教員 地元の学校に通い、地元の大学に行き、地元の教員に 「数学が好きな子を増やしたい」と思い、教員になる。しかし、いつの間にか部活動と学校行事がメインの役割になり、22時に退勤することが常習化する。帰って24時に寝るという生活を送る。 3年前に土日をほぼつぶして取り組んだ部活で成果が出ず、「これではいけない」と思い、コーチングを勉強し始め、自分もコーチングを受ける。コーチングを受ける中で「自分はどんな生き方をしたいのか」「自分の強みは何なのか」「何がしたいのか」を考え、行動するようになる。