教育ICT

「Classroom(クラスルーム)」を1年間授業に使ってよかった点5選

クラスルームの良い点5選

①毎時間の授業計画を公開する

・1時間に一つの「授業」を作る

1時間で1つの授業計画を公開しておきます。
「課題」
「内容」
「演習」
「小テスト」
が私のやっている流れです。

教科書の解答もPDFで掲載しておきます。今では教科書のデータCDに教科書データ、教科書解答データ、小テストや評価テストなどいろいろついてくるのでとても使いやすいです。もし、小テストをクラスルームで集計したいのであれば、授業のタイプを「クイズ」にして添付データをGooglefoamだけにする必要があります。私は教科書の解答は授業のリストの一番上にその単元が終わるまで資料として置いておくようにしています。

・トピックにまとめる

授業が多くなってくると、今見たい授業がどこにあるかわからなくなってきます。そこでトピックを作ってまとめると、とても見やすい。教科の授業だったら単元名にして並べています。

・予習、復習を促進する

やることがすでに書いてあるので予習してくる生徒がいます。授業の時にはもう終わっている子もいますが、私は「どんどんできるならやったらいい」という考えの持ち主なので、うれしいくらいです。やってきた生徒は「応用問題をする」「ほかの人に教える」「よくわからなかったところを聞く」などできますからね。また、欠席した生徒も何をしたかわかりますし、あとでテスト勉強するときに戻って学習することもできます。

授業計画を公開する

②小テストをする

「テストは毎回した方がいい」と超勉強術においてメンタリストDaiGoさんも書いています。今日何を学んだか、何ができるようになったのかということを自分でoutputする必要があると考えています。なので毎時間小テストをするようにしています。しかし、今までは「どう採点するか」「採点したものをどうするか」「傾向知るにはどうするか」という課題がありました。
自己採点は甘くなりがち、しかし教員採点は非常に手間。
定期テストへの導入はしませんでしたが、日頃の小テストなら導入できると思い、1年間試してきました。

・国語や英語は難しそう

国語:漢字の読みはできるかもしれないけど、変換でカンニングできるので無理
   選択肢を選ぶ問題はできる。
   自由記述させる場合は、手動で採点しなくてはいけない

英語:単語を答えさせる問題はできる。
   英文は単語の間のスペースや大文字小文字などを配慮すればできそう
   並べ替えならできる、違う表現をされたら手動で採点
   ふと思ったけどリスニングテストは何度も再生されていいならできそう

聞き取りテストできそう

・算数、数学はチャレンジ可能

数字を答えさせる問題はできる(大文字・小文字の正解をちゃんとすれば)
途中式や説明などは手動採点にすればできる
部分点や表現が違って誤答扱いになるものも正答にすることができる

解答一覧

・社会、理科は選択問題なら

社会や理科は単語を答える問題が比較的多い教科だと思うのでテストはしやすそうです。

よくありそうな問題
正誤問題も作れる

いろいろな試験を行った結果、定期テストでは難しいが単元の最後に行うテストから1時間ごとの小テストまでなら導入してもよさそうだと思っています。定期テストにはどうしてもカンニング対策を強くする必要があります。ロックモードを使用することで少しは導入が見えてくるかと思いますが、「操作を誤って送信すると答えられなくなる」「分割表示にすると検索が使える?」など問題はありそうですが、PCでテストとなる日もそのうちやってきそうです。

ロックモード
foamでテストをする

③参考ページや動画を添付する

新しくなった教科書、ワークにはQRコードが結構ついています。URLを間違えずに打ち込むという手間はなくなりましたが、あれを配布されている端末で読み取るのは至難の業でした。ちなみにまえちゃんの職場はchromebookが導入されています。一度、「これって生徒が読み取れるもんなの?」と思い、chromebookのカメラで読み取る実験をしました。結果は惨敗。chromebookを静かに閉じた記憶があります。全然読み取ってくれない、ひたすらカメラ前で教科書のQRコードを近づけたり、離したり、角度を変えたりしていました。そう思うとiPhoneすげーって思います(2秒で終わる)そんなことがあってから生徒に参考ページや見せたい動画があるときはURLをクラスルームに添付することにしました。

・変化が感じられるアニメーション

比例のグラフの座標の点を打っていくアニメーションや比例定数を変えて形が変わるアニメーション、動点問題のアニメーション、空間図形の展開図のアニメーションなど「なかなかイメージできない」と今まで困っていたものがアニメーションで見せることができてとても助かりました。デジタル教科書すばらしい。

・やり方の動画

コンパスを使った作図の仕方の動画を個人で見られるようにしたのはとてもよかったです。今まで先生が大きなコンパスと三角定規をもって教室に行き、黒板でやりながら説明していました。でも動画なら先生の説明を見逃しても、忘れても確認できるのでとてもスムーズに進みました。

・課題レポートなどは形式を添付する

総合の時間のまとめのレポートを書かせるための用紙を生徒分印刷したことがある先生は多いのではないでしょうか?あの作業があまり好きではありませんでした。

問題点
・印刷枚数が多い(場合によっては下書き用紙も配布される)
・掲示前提のものが多く、紙のサイズが大きい
・仕上がらなくて持ち帰ると、やぶれる、無くす
・文字やデザインがひどいと読めない
・評価のためにしばらく棚などに保管していた
・昨年度のいい例を見せるために作品を保管する必要があった

タブレットで作成して、クラスルームで提出すればすべて解消します。素晴らしい!今年度、手書きで仕上げたレポートはありません。ドキュメントかスライドで仕上げました。掲示も一括印刷すればそこまで手間ではありません。

HPや動画は制限があったりするので注意

④アンケートに回答する

アンケートを実施するには「アンケート用紙の作成」「アンケート用紙の印刷」「アンケート用紙の配布」「アンケート用紙に記入」「アンケート用紙の回収」「アンケートをデータに入力」というステップがあります。とても手間がかかることはいうまでもなく、紙のアンケートは配布した段階でなくなる、回答後になくなる、入力間違いなど様々な障害があります。しかし、デジタル化すれば「アンケートの印刷」「アンケート用紙の回収」「アンケートをデータに入力」という手順は省略できますし、アンケートを紛失することもありません。学校のDX(デジタルトランスフォーメーション)で数少ない低コスト高リターンがデジタルでのアンケートだと思います。

実践例&アイディア

・生徒向け

〇授業アンケート 〇係などの希望調査 〇学習などの調査 〇選挙投票
*生徒が答えたものをリアルタイムに発信するには「メンチメーター」がおすすめです

・先生向け

〇各種アンケート(行事後の振り返り・改善案、届け出などの調査など)
*一年間で紙によるアンケートはほぼ駆逐されました。

・保護者向け

〇学校評価アンケート △欠席連絡(定着しておらず)

クラスルームには質問という授業を作成するほか、Googlefoamsを添付してアンケートに答えることができます。質問の方が簡単に答えられますが、複数の質問や回答形式を調整したいときにはGooglefoamsがおすすめです。

アンケートは本当に楽になる

⑤お知らせ・お便りを配布する

・お知らせは「ストリーム」で

時間割や持ち物などのお知らせはお知らせ用のクラスルームを作ってそこに登校するようにしています。「プリントがなくなってわからない」というよくある事態をこれで避けることができます。私の勤務しているところは家庭での端末でもGoogleアカウントでログインすればクラスルームにアクセスすることができるので、chromebookを学校に忘れてきたから見れないということはあまりありません。

・お便りは授業の「トピック」でまとめる

お便りは使い分けています。重要な通知は紙で出すようにしています。まだまだなところはありますが「紙で来たお知らせは超大事なもの」になっていくことを目指しています。学級便りはデータで配布しています。「見るか」問題ですが、投稿時に一言添えると意外と見てくれるものだと感じました。お便りは一度目を通したらもう一度読むということは少ないのではないでしょうか?ちなみに私の勤務している学校は毎日何かしらのプリントが配布されます。大体1日5~10枚(授業プリント含む)、プリントの1枚のコストが1円だとしても1日5円~10円、年間学校がある日はおよそ200日、一人年間1000~2000円はかかる。一クラス35人だとしたら35000円~70000円。結構かかりますね。ペーパーレスが少しずつ進んで、印刷費が少しずつ減ったと事務員の人から聞いたこともあります。

・回答のいるものは「フォーム」か「質問」

教室の黒板や予定掲示板がお知らせだらけになることありませんか?私は掲示物はなるべく張らないことを最近の課題としています。掲示物が多いと気がそがれ、学習に集中できない生徒もいるからです。また、紙でのお便りの削減も行っています。ここ数年、パソコンとプリンターの質が向上してからはプリントを作成することが簡単になったのだと思います。その結果、私たち教員も生徒も多くのプリントが毎日やってくる事態に陥っています。整理整頓が苦手な生徒の机やカバンの中はおおむね多数のプリントにうめつくされ、重要なものが何かわからなくなってきています。

欠席した生徒には伝えやすい

まとめ

「いいものは使い慣れるし、手間がかかるものはなくなっていく」と感じた一年間でした。クラスルームを授業でも校務でも使い始めて1年間。始めは「そのうち使わなくなるかも」と思いましたが、「これはクラスルームでやったら楽でいいな」「このアニメーション見せたいな」「小テスト、毎回〇付けは嫌だけど、不正もイヤだな」と使う理由があれば活用することはできると感じました。
校務で一番の変化はペーパーレスです。2021年度4月にアンケートをGooglefoamで作り始めました。「なんでもPCにすればいいってものじゃない」といわれた当時でしたが今ではアンケートをペーパーで取っているものは教育委員会関係のもの以外はありません。少しずつでも変化はあるなと感じています。大切なことは「これってもっと楽にならないか」「これって必要なの?」という視点ではないでしょうか。ちょっと調べたら楽にできる方法があるのにいつも通りやる、あまり生徒も教員も意義を感じていないことを今まで通りにやっていてはやることは増える一方です。「楽にやる」「必要ないことはやらない」という考えをもとにいい学校生活を送りたいですね。

ABOUT ME
まえちゃん
アラフォー男性教員 地元の学校に通い、地元の大学に行き、地元の教員に 「数学が好きな子を増やしたい」と思い、教員になる。しかし、いつの間にか部活動と学校行事がメインの役割になり、22時に退勤することが常習化する。帰って24時に寝るという生活を送る。 3年前に土日をほぼつぶして取り組んだ部活で成果が出ず、「これではいけない」と思い、コーチングを勉強し始め、自分もコーチングを受ける。コーチングを受ける中で「自分はどんな生き方をしたいのか」「自分の強みは何なのか」「何がしたいのか」を考え、行動するようになる。